浄土論註講義 �機｜�者：藤場 俊基

藤場俊基氏による浄土論註講義の決定版！　
天親菩薩の称名念仏に成就した本願の名号をキーワードに、『浄土論註』の意（こころ）が、今、読み解かれる！

サンガ聖典シリーズ５『浄土論註講義 �機抛�場俊基氏著。

真宗大谷派能登教区連続教学講座＝『浄土論註』共同学習会における藤場俊基氏の講義を元に、講師による加筆修正を経て編集した講義録。ついに刊行！

A5サイズ　116頁

目次
講義　第1回　　2010年2月24日
共同学習の意義　６
聖教の学び方　13
『論註』とは　16
「優婆提舎」　18
ただ念仏すべし　21
天親菩薩の称名　24
曇鸞と浄土教との出あい　27
「往生論」と「浄土論」　34
始まりが念仏　36
称名念仏の因　41
回向門から受け継がれる本願念仏の歴史　46
成果を期待せず、土を耕し続ける　48


講義　第2回　　2010年2月25日
龍樹と親鸞を結びつけた曇鸞　52
大乗仏教の究極　59
生きた仏道となるとき　62
最初の念仏者　64
称名念仏へのためらい　65
曇鸞と道綽の出あい　68
曇鸞が縦糸・善導が横糸　73
人間の受け止めと教えとの乖離　74
願と行　78
本願が成就する相　81
浄土教の仏教史的意義　84
「不請の法」　91
「心」・「意」・「識」　96
いつでも・どこでも・誰にでも　100
最初の一歩の共有　104
他の執着を相対化する執着　106

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（本書より）
　『論註』と私の関係は、先ほど少し触れましたように、『論註』自体を隅から隅まで丁寧に読んだことはありません。私が取り組んできたのは『教行信証』です。その中には『論註』の文言がたくさん引かれています。しかも、『教行信証』の骨組みとなっている非常に重要な聖教です。『教行信証』を読むには『論註』を避けては通れません。ですから『教行信証』を読むのに必要だと思われる範囲でこの聖教を読んできただけです。ですから、『論註』全体を見通した視点とはかなり違う見方もあるかもしれません。
　もう一つ、私の聖教の読み方の特徴について知っておいていただきたいことがあります。それはあまり一つひとつの語や文を掘り下げて思索する読み方ではないということです。一つの語を手がかりにして、ぐっと掘り下げて粘着力のある思索をする方もおられますが、そのような読み方は得意ではありません。私も細かなことにこだわることがありますが、こだわりのポイントが違います。私は掘り下げるというよりも、文章と文章のつながりを意識しています。一つの確かめがどのような問題意識から出てくるのか。その問題意識はどのように展開しているのか。一つの書物の中でのつながりということもありますし、人から人、あるいは書物から書物へのつながりということもあります。
　一つの問題を考え始めるきっかけがどこにあり、それをどのように確かめ展開するか。そしてそれが後にどのように受け継がれていくか。問題意識のつながりや関係をたどりながら聖教を読んでいます。このような読み方を誰かに教わったわけではありません。あれこれと試行錯誤をしながら読んでいるうちに、気がついたらそのような読み方をするようになっていました。
　ジグソーパズルのような感じで、パーツがバラバラになっていると何もわかりませんが、いくつかのパーツがつながっていくと次第に絵になっていく。全体の中の一部分が島のようにできあがっていく。そして島と島を結び付けるパーツが見つかると、絵が大きくなって面になっていきます。
　島と島との位置関係がはっきりしてくると、離れた島と島を結ぶ線が複数あることがわかります。いくつかの線を行ったり来たりすると話の筋道があちこちへ飛んでしまうことがありますが、出発点と目標点の二つの島を見失わなければ、つながりが切れてしまうことはありません。
　ですから『教行信証』に引かれていること、つまり親鸞が『論註』から学んだことを島と見立てて、それらの島が『論註』の中でどのようにつながっているのかを確かめるような読み方になっていくのではないかと、今の段階では予想しています。
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2023年9月25日より価格改定しました。
型番 b0018
販売価格
1,100円(税込)
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